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日本糖尿病・肥満動物学会 理事長挨拶
日本糖尿病・肥満動物学会理事長
寺 内 康 夫

 2017年2月、横浜において開催された日本糖尿病・肥満動物学会年次学術集会期間中の臨時理事会において、2017-18年度の理事長に引き続き選出されました。本学会は1987年1月、「日本糖尿病動物研究会」として発足し、2007年2月、「日本糖尿病・肥満動物学会」へ改称いたしました。創立者であり、初代会長の後藤由夫先生、2代目会長の金澤康徳先生を中心とする先輩の先生方の御尽力により発展してきた本会を、3代目理事長の門脇 孝先生が引き継がれ、2015年以降、私が4代目理事長を拝命しております。

 我が国の糖尿病モデル動物を用いた研究は、研究会として発足当初の頃からの自然発症糖尿病モデル動物を用いた研究に加え、遺伝子改変糖尿病モデル動物を用いた研究も大きく花開いています。その過程で、糖尿病動物研究のリーダーとして国際的にも活躍してこられた先輩の先生方に加え、中堅・若手の優秀で熱意のある糖尿病動物研究者も数多く育ってきました。 本学会の歴史を振り返ってみますと、日本のみならず世界全体の糖尿病患者の急増と今日では、糖尿病とその合併症の病態・治療に関する基礎研究が重要であり、動物モデルという個体を用いた研究が糖尿病学の発展、社会への貢献に果たした役割は大きかったと言えます。

 また、2011年の東日本大震災においては多くの実験動物も被災し、東京電力管内で実施された計画停電のために、動物実験施設の縮小・閉鎖が余儀なくされた現実を直視し、災害に強い動物実験施設や動物実験のあり方に関して建設的な提言をしてきました。2013年には将来検討ワーキンググループを立ち上げ、日本の糖尿病・肥満動物研究をさらなる活性化のために必要なことを議論し、若手、女性、地方在住の研究者のための研究環境整備にも取り組んできました。2016年4月に発生した熊本地震では熊本で震度7を2回も観測しましたが、熊本大学動物実験施設における飼育動物の被害は全飼育動物の約1%にとどまり、本震後一週間以内に通常の飼育業務へと復帰できました。時期的に空調機の一時停止が起こっても飼育室の温度への影響が小さかったこと、ライフラインの復旧が早かったこと、空調機やオートクレーブ等の機械類の損傷が少なかったことなどの幸運な部分もありますが、東日本大震災での教訓を受けて、ラックの転倒防止策や緊急時マニュアルの策定などの策を講じてきたことも大きかったと聞き及んでいます。日本ではいつどこで大きな地震が起こるかわかりませんので、今までに得られた教訓を生かして、実験動物への影響が最小限で済むよう努めて頂きたいと衷心より願っております。

 これまでの会長・理事長が中心となって進められた研究の流れを継承し、学術団体としての学会活動をさらに推進するとともに、産業界や社会に向けた活動も視野に入れ、糖尿病学の更なる発展に貢献できればと考えております。新しい試みも意識的に取り入れながら、本学会を益々発展させるために努力していきますので、本学会を支える各分野の研究者、臨床医、実験動物あるいは製薬関連企業の研究者など、学会員の皆様のご協力を何卒よろしくお願いいたします。

2017年2月


 
©1999-2017 Japan Society of Experimental Diabetes and Obesity
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